どうも! 菰野OUTSIDEのズミとウラです。菰野町観光協会さんのサイトで菰野町内の遊んで楽しい野外スポットを紹介していきます。第2回は、梅雨シーズンのレインハイクです。
※菰野OUTSIDEについては、この記事の最後を読んでね。
外で遊びたいけど毎日雨が続く梅雨。雨だから仕方ないと諦めるのはまだ早い。ほんの少しの雨対策をすれば、雨でも結構外遊びが楽しめるのだ。最近の夏は暑すぎて晴れていても外出を控えるケースが多いので、考え方を変えればむしろ雨の日の方が外遊びを楽しめるとも言える。
ファーストビューの写真でもおわかりの通り、僕たちはレインウエアを着ている。いわゆるカッパだ。カッパなんて子どもだけが着るものと思わないでほしい。レインウエアを着るだけで雨の日の行動範囲が抜群に広がるのだ。傘だと片手しか使えないが、レインウエアなら両手が自由になり、安全面も含めてアドバンテージが多い。
最近のレインウエアは、アウトドアブランドから街の量販店で売っているものまで性能・デザインともに申し分ないアイテムがたくさんあるので、興味がある人は一度見に行ってほしい。
そんなわけでカッパ、もといレインウエアを羽織って僕たちは雨の森へと入った。
今回の舞台は三重県民の森。
地元の方ならピクニック、お花見、アスレチックや学校の遠足などで訪れたこともあると思う町内の人気スポットだ。しかし園内を隅々まで歩いたことがある人は意外に少ないのではないだろうか。
約45ヘクタールの広大なフィールドにたくさんの遊歩道が枝分かれしており、下手な登山よりも歩き応えがあると思っている。疲れてもベンチや東屋、さらにはすぐに車道などにエスケープできる点なども山と違って安心のポイントだ。
まずは、三重県民の森のビジターセンターとしての役割でもある自然学習展示館にてスタッフさんから見どころや今日の園内のコンディションなどを伺った。雨が上がれば、オニヤンマに出会えるかも。
まずは展望台があるウォーキングCコース方面へ。雨のせいで緑が一層色濃くなっている。シャッターを押す回数も自然と増える。
※ウォーキングCコースは、一部大雨の影響で路面が崩れている箇所があり一部通行止めになっています。お越しになる方は事前に三重県民の森まで問い合わせてください。
今日は雨なのでライカ一本で身軽に撮影を行うウラさん。軽くなった分、雨なのにいつもよりも機動力が高い。笑
でも、いきなりの登り。
息が上がらない程度にゆっくりと進む。雨の日はできるだけ汗をかかないように歩きたい。少しでも快適を意識して行動する。とは言ってもきれいな景色、いきものを見つけるとそれどころではない。結局汗だく。笑
みはらしの小道を野鳥の森に向かって進む。朝方の大降りも落ち着き出し、しとしと雨に。こんな時は苔も生き生きとしてくる。苔を眺めながらのハイクは、雨の日の醍醐味だ。苔マニアの方も多いのではないだろうか。
菰野町の森も長野県八ヶ岳の苔の原生林に負けていないと言ってしまうのは言い過ぎだろうか。
雨の日は動物たちの警戒心も少し緩み、姿を見せてくれる子もいる。
カナヘビも雨に濡れツヤツヤしている。
この鳥はイカルだろうか?この距離だと何とも判別できない。尾の形がうつくしい鳥だった。
そして雨の日はコイツも活発だ。
ヤマヒル。血を吸われても痛くもないし、害もあまり無いいきものだけど、見た目で損をしているのかも。嫌われ者のイメージ笑。とは言ってもヒルも生きていくために血を吸っている。写真には撮っていないが、吸われて大きくなった姿を見て彼らも生きているんだなと改めて感じた。ヒルはジメジメした場所・気候を好むので晴れた乾いた場所では出会わない。
野鳥の森を抜けたあとは、少し東海自然歩道へと足を伸ばした。三重県民の森とは少し雰囲気が変わる。管理された遊歩道というよりかは、古い林道、いわゆるオールドトレイルな雰囲気が漂う。ここはさらに緑が深く、たくさんの面白いが隠れているスポットだ。
ちょっとした水たまりにも何かいるのではないかとワクワクしてしまう。
苔の上にお行儀良く座っているヤマアカガエル。このエリアでよく見ることができる小さいカエルだ。
前日からの雨で普段水量の少ない沢もしっかりと流れがあったので休憩がてら顔を洗った。気持ちの良い冷たさだ。もしこの辺りでキャンプができたなら(キャンプは禁止ですよ)、この沢にビールを冷やしておきたいと思った。
いきもの以外も面白いものが雨の森にはたくさんある。植物たちも水を得ていきいきしている。
森の中に凛と咲くギボウシや今にも虫のように動き出しそうな苔、そして切り株を利用した地図??
面白いものがあればどんどんシャッターを押していく。
この日は本当に水が多かった。沢の近くを歩いていたということもあるが、道が川のようになっていた。防水の登山靴でなければ、足もずぶ濡れだ。
雨の森は楽しいし面白いものとたくさん出会うことができるが、危険も多い。
トレイルの横を流れる川を見てほしい。言うまでもなく激しい濁流となっている。この勢いは人の力でどうこうできる話ではないのでこんな日は近づかないのが一番だ。
しかしどのように恐ろしいのか、そして雨に日や川の近くでは、どのような危険があるのかは、実際自分の目で見て体験しないと認識することは難しい。だからこそ普段から野山や川に行くことが大事だと僕たちは思う。遊びの中で危険な行為や危ない場所を知り、意識することができるからだ。山や川は危ない場所と決めつけて遠ざけるのは少し違うと思う。
僕たちは自然を前にして美しいと思うだけではなく、畏怖の念を抱くべきなんじゃないかと。
そうは言ってもその素晴らしさに僕たちは目を奪われる。岩から滴り落ちる水は何とも言えない美しさがあり、どれだけ眺めていても飽きることがない。ウラさんもカメラを置き、じっと水の流れを眺めていた。
先月にも綴ったが、雨が降り山から大地に水が滲み出て小さな沢から支流、本流河川、そして海へ。
源とも言える水を見ていると自然の恵みをまざまざと感じることができる。
東海自然歩道を抜けて、また三重県民の森の遊歩道へと戻ってきた。その頃には雨は小雨になり、今度は大きな いきもの の気配がしてきた。写真には収められなかったが猿があちこちでキーキーと鳴いていた。雨の間は木の葉の下でじっとしていたのだろう。
三重県民の森は多くの動物が生息している。猿、いのしし、鹿、タヌキなど町内の他のエリアでも見られるようなものからムササビやフクロウなどちょっと頑張らないと見れないものまで。
人気のアスレチックの外側にあるウォーキングBコースを抜け、Aコースまで歩いてきた。秋に真っ赤になるフウの大木があるつどいの広場から猫(猫という名前の山)も顔出してくれた。もう雨は完全に上がった。
三重県民の森の良いところは、いろんな場所に東屋があり気軽に休憩できるところだ。そろそろお腹も減ってきたので近くにあった東屋で小休止することにした。山ならお湯を沸かしたり、調理したりもするが、三重県民の森は火器の使用が禁止されているので、水筒に入れてきたお茶とお菓子で今日のレインハイクを振り返った。
休憩後も森の面白いものを探しながら歩いた。目線を上へやったり、下にやったり、遠くを見たりとちょっと意識するだけで色々な発見があった。
誰かが用意してくれるものや景色ではなく自然の中にある自分だけの小さな世界を楽しんでほしい。自然は平等なのでみんなが楽しめる場所がそこにはある。
僕たちはみんなに自然の楽しみ方を体験してほしいと思うと同時に自然への関わり方も考えてほしいと思っている。
ゴミは絶対に捨てない、環境には充分配慮して楽しんでもらえたら最高だ。
みなさんも雨の日はレインウエアを着て近くの公園などへの散歩からはじめてみてはいかがだろうか。傘をさして歩くのとは少し違った感覚を味わえると思う。
フードや肩にあたる雨粒の音に耳を傾けて森の中を歩くのは最高ですよ。
さあ、今年の夏はレインハイクデビュー!
三重県民の森:
菰野町の千草地区に位置し、自然とのふれあいや学びの場として親しまれている森林公園です。約45ヘクタールの広大な敷地には、明るい二次林や草地、ため池など多様な自然環境が広がり、四季折々の動植物の観察が楽しめます。園内には遊歩道が整備されており、里山再生を目的とした保全活動や自然体験イベントも随時開催しています。自然の中でゆったりと過ごしたいファミリーや散策・観察を楽しむ方々に人気のスポットです。
菰野OUTSIDEとは
鈴鹿山脈界隈で活動するグラフィックデザイナーとフォトグラファーの2人が地元民目線とクリエイター視点で菰野町内のフィールド(山、谷、森、川、田畑、原っぱなど)の面白い場所を見つけて、自ら遊び、その楽しさを伝えていくプロジェクト。
・member
ズミ
菰野町のデザイン事務所エコムクリエーションの代表を務めながら御在所岳発のハイクブランド「1212」を展開しているグラフィックデザイナー。愛車はGARYFISHERのSuperfly。
ウラ
結婚を機に愛知県から鈴鹿山脈の麓に移住してきたフォトグラファー。鈴麓寫眞という写真館を経営しながらコマーシャルフォトなどの撮影も精力的に行う。愛竿はGO-PHISHのKamome trail。
ゲストフォトグラファー:山田晃弘
今回メインビジュアルの撮影を担当。鈴鹿山脈の麓で自然体験などの撮影や動画制作などを幅広く行なっている。