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2021.09.24 食べる

地元農家が丹誠込めて育てた「菰野町の米」が美味! ~町発祥の「関取米」~

鈴鹿山脈の麓に位置し、自然豊かな環境に恵まれた「菰野町」。町名の由来となったといわれる「マコモ(真菰)」とともに特産品として知られるのが「お米」。地元の農家さんを取材し、その歴史とおいしさの秘密を探りました!

【めったに倒れないことから命名された「関取米」が復活!】

江戸末期から明治・大正時代、三重県のお米は、熱心で研究心に富んだ農家たちの手で改良が続けられ、質の良い「伊勢米」として知られていました。その一つが、菰野町で生まれた「関取米」です。

嘉永元年(1848年)、農家の佐々木惣吉氏によって発見され、高品質で倒伏に強かったことから「相撲の関取」にちなんで名付けられました。水晶のような美しい輝き、小粒でサラサラとした食感が特徴で、明治時代には江戸前寿司の米として一世を風靡しました。

菰野町の千草地区。のどかな田園風景が広がるこの地域で、「関取米」は栽培されています。

現在、「関取米」を栽培しているのは、1軒のみ。農家の秦 好文(はた よしふみ)さんが、江戸時代から続く「町に伝わる米づくりの歴史」をつないでいます。

明治時代には県外でも知られる存在になった「関取米」ですが、収穫量が少ないため、次第に栽培されなくなったといいます。しかし、町内では「貴重な地域資源を残すべき」という声が根強く、町の協力も得て、2005年に栽培が再開されました。

30年以上農業に従事する秦さん。「関取米」の栽培について「他にやる人がいないから」と謙遜しますが、地元への愛情は人一倍。米づくりについて話している時の笑顔は輝いています!

秦さんに稲穂の実を見せてもらいました。確かに小粒!「菰野町で生まれた品種を残そう」という地元の人たちの想いがこの一粒一粒に詰まっています。「関取米」は稲穂の背丈が高いため、収穫時期も慎重に見極めながら収穫されているとのこと。

栽培を再開した当初はわずかな種子だったため、最初の2年は種子を増やすことに専念。秦さんをはじめとする地元農家の地道な努力が報われ、数年前に酒造りができる量に達し、特別純米酒「菰野乃大物」として醸造されることに。また、「関取米」は、町内の小学校の給食にも出されるようになり、子どもたちにも好評です!

日頃の作業は、奥様と二人三脚で進めています。時々、文句を言い合うのも、仲良しの証拠。「周囲の助けがあるから、頑張れます」と秦さん。

現在は、3ヘクタールの作付面積で「関取米」を栽培。「道の駅 菰野」や地元のお米屋さんで販売されるだけでなく、近年は梅酒の原料としても提供され、徐々に需要が高まっています。「毎日食べても飽きないのが『お米』。だから、おいしくて安全な米をつくりたい」。その想いは、菰野町に受け継がれていくはずです。

菰野町の「関取米」と「ミルキークイーン」。特徴が異なり、それぞれのおいしさがあるお米。菰野町に来た際は、菰野町のお米のおいしさをぜひ味わってみてください!

 

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