どうも! 菰野OUTSIDEのズミとウラです。これから菰野町観光協会さんのサイトで菰野町内の遊んで楽しい野外スポットを紹介していきます。第1回は、新緑あふれる初夏の朝明渓谷を紹介します。
※菰野OUTSIDEについては、この記事の最後を読んでね。
この季節の山は明るく、色鮮やかだ。そして山の中を流れる川も陽の光を反射してキラキラしている。緑あふれる山を楽しむなら今しかない。そんな訳で僕たち菰野OUTSIDEは、朝明渓谷に流れる渓流沿いを遊びながら歩く計画を立てた。
今回はピークを目指す登山ではないのでスタートもゆっくりだ。朝8時ごろに朝明渓谷有料駐車場に集合した。1日1台500円とリーズナブルな駐車場だ。コーヒーを飲みながら登山靴を履いているとフォトグラファーのウラさんもやってきた。彼のバッグパックに目をやるとやっぱり釣り竿が。今回のお楽しみのひとつは渓流釣り。釣り竿を持っていない僕の分まで持ってきてくれた。まだ竿の購入まで踏み切れない僕にいつも竿を貸してくれるのだ。今日大物が釣れたら僕も竿を購入しようと覚悟を決めるかもしれない。
そんな想いを馳せながら出発の準備を整え、登山口までの舗装路を歩き出した。
登山口までは、舗装路を10分弱程度。車を降りたらすぐ登山口も楽なのだが、いきなり登山口よりも少し歩いた方が準備運動代わりにもなるのでちょうど良い。ここはロケーションが良いので周りの緑を眺めているだけでもテンションが上がる。
今回はお気軽ハイクなので荷物も身軽に行こうと思っていたが、あれも使いたい、これも使い、あれも食べたい、これも食べたいで結局いつもの荷物に。UL(ウルトラライト)ハイキングには程遠い笑。
川が目に入れば当然のぞくよね。涼しげな渓流を眺めるわけではなく、目線の先はサカナたち。
魚影とのにらめっこは、しばらくかかりそうだ。
魚影とのにらめっこが終わると本格的な登山道に入る。夜から雨の予報なので空気は幾分ジメジメしている。そんな時はヒルに出会うことが多い。この時期の鈴鹿山脈は特に気をつけてほしい。気になる方は、ヒル下がりのジョニーなんかを振ってから山に入ると安心かもしれない。
見た感じは少しジメっとしたトレイルだが、落ち葉の上を踏みしめるとフカフカ、ザクザクと心地いい感覚になる。これだけでも山や森に入る価値があると僕たちは思っている。小学生の時よく道で枯葉を踏んで歩いていたことを思い出す。
今回歩くコースは渓流沿いなので風も抜けるし涼しい。そして見た目にも涼しいのだ。登り坂であっても程よい汗をかく程度だった。この時期ならではの気持ちよさかもしれない。もう数週間遅かったら登り坂は汗だくの可能性が高い。
またこのコースは何たって渡渉が多い。橋のない場所は岩を飛んで渡ったり、浅瀬は川に直接入って渡るなど男の子ごころをくすぐるセクションが目白押しなのだ。どの岩に足を置くべきか、飛び移ったら滑らないだろうか?などなど作戦を考えるのも面白い。川を渡るだけなのに頭脳戦の要素もある。
川の向こう岸に作業車が入るためだろうか、このあたり砂防は浅瀬になっている箇所も多い。家族で登山に来る時もここで子どもたちと顔を洗ったりする。冷たくて気持ちがいい!!山に来てもおじさんは顔を洗うのが好きらしい。
何度も言うけど、山の川は本当に気持ちがいい。
雨が降り山の土から川へ
渓谷の川から里川へそこから大きな河川
そして海へと繋がる自然のサイクル
そのスタート地点でもある清流が流れる渓流、自然の音しかなく木々や雄大な岩が聳える。その中で出会える美しい渓魚。山を歩き昂る気持ちを抑えながら進む。
僕らがやるのは”渓流ルアーフィッシング”だ。4~5ftの短くて4本継ぎのパックロッドと言われる竿をバックパックに詰めていくスタイルだ。使用するルアーは40mm~50mmのサイズのミノー(小魚をもした擬似餌)やスピナー、スプーンといったルアー使用してアマゴやイワナを狙う。
30分ほど歩いただろうか。
「この辺りから始めよう」
僕らはどんなサカナに出会えるのだろうかとワクワクしながら準備を始めた。そして砂防を一つ一つ丁寧にルアーを通す。サカナは見えるがなかなかヒットには繋がらない。砂防を超え小さな落ち込みや瀬にルアーを通す。
ウラさんがようやく可愛いアマゴをヒット。ルアーと同じようなサイズだった。すぐにフックを外しリリースした。サイズは小さいがよくぞ僕のルアーに飛びついてくれてありがとうという気持ちになったとウラさんは語っていた。
渓流沿いや川の中を登ったり降ったり、気づけば正午に近くなっていた。せっかくの山に入ったからには昼食も山っぽくいきたい。歩くだけ、釣りをするだけが目的ならもっと簡単に昼食を済ませる選択肢もあるが、今日はジャークチキンとソーセージの漢飯だ。もちろんコーヒーとスイーツ付き。
少し川を登り堰堤の上に広い場所があったのでここで昼食を取ることにした。バッグパックから食材や調理器具を出して各々準備が始まる。調理器具などは、普段家で使っているものでも問題ない。しかしアウトドア用だったり、自分のお気に入りを使うと準備も数倍楽しくなる。
まぁカタチから入る僕たちの悪い癖だ。でもそこも含めて楽しみたいと日頃から思っている。
コーヒーも淹れる。ピークを目指したり、テント泊登山の場合だと荷物やゴミを減らしたいのでインスタントコーヒーになることが多いが、今日はゆっくりとハンドドリップスタイル。コーヒーに限らずだけど、山での淹れるコーヒーは最高だ。山に入ればスマホの電波も届かないことが多いので誰にも邪魔されることなくコーヒータイムを楽しむことができる。
ウラさんが調理してくれたジャークチキンの完成だ。調理中からニンニクの香りが堪らなかった。少しコゲているのも山飯らしい。写真を撮るのを忘れていたがこれにソーセージもある。実はクリームパスタやアヒージョだったりもう少し手の込んだ料理も考えていたが、キャンプっぽくなってしまうので今回はこれにした。
今回はスイーツも持ってきた。この記事ではまだ多くは語れないが、現在菰野町で山などで使える行動食を開発中だ。今日は試食を兼ねて持ってきたが、サイズ感や食べやすさ、食べ応えなど行動食としても高評価だった。これは完成が期待できそうだ。ちなみに僕はこの行動食を入れる外箱?外袋?のデザインを担当している。こちらも合わせて期待しておいて欲しい。
お腹もふくれたので、荷物を整え、いざ午後の部へ。
アマゴのチェイスはあるがなかなかヒットせず・・・。大分下って来たところで魚影を確認し、ウラさんがすぐさまキャスト。ルアーにアクションを入れるとアマゴが岩陰からトップスピードでルアーに喰らいついた。気持ちいいヒットだ。
サイズは小さいが綺麗なアマゴだ。写真を撮ってアマゴの美しさに別れを惜しみながらリリースした。
ちなみにアマゴとヤマメは似ているが朱点があるかないかで見分けがつくのと生息地域が日本海側に下る河川はヤマメ、太平洋側はアマゴだ。三重県は太平洋側なのでアマゴの生息地域なのだ。
登山や釣りで山に入ると当然ながらいろんな生き物を目にする。家の近くでも見れるものから山に入らないと中々見れない生き物まで。山で遊ぶと生き物や植物に対する意識が高まるように感じる。生態系や生物多様性などのワードに普段よりも敏感になるのはきっと僕らだけじゃないはずだ。難しいことは言えないが、山で遊ぶからこそ自然を大切にしていくのは当然で、またその体験を山に入っていない人たちにも伝えていく義務があるようにいつも感じている。
というわけでこれにて菰野OUTSIDE #01「初夏の渓流ハイク」が終了。程よい疲労感と山の中で得た高揚感のバランスの良い心持ちで山を降り駐車場まで戻ってきた。
今回の遊び場所となった朝明渓谷は、鈴鹿セブンマウンテンズの一角である釈迦ヶ岳や比較的気軽に登れる羽鳥峰やハライドの登山口でもあり、足を伸ばせば、鈴鹿の上高地と呼ばれる愛知川の源流域まで2時間程度でアクセスすることのできる山遊びの出発点としては最高の場所だ。キャンプ場も多いので下山後にそのままキャンプなんて選択肢もある。もちろん家族でくるのもオススメだ。
次回の菰野OUTSIDEの遊び場所をどこにするかを相談しながら僕らの1日は終了した。
結局僕は一匹も釣ることができなかったので釣竿の購入はまだ先かなと思った笑。
【最後に】
川の生き物は減少傾向にあります。アマゴやヤマメ、イワナなど漁協や有志の方たちが放流しています。
自然と遊ぶ事は自然に感謝して大切に遊んでください。
違法駐車やBBQのゴミなどとても目立ちますので自然の生き物が気持ちよく過ごせる環境にしていきましょう。
菰野OUTSIDEとは
鈴鹿山脈界隈で活動するグラフィックデザイナーとフォトグラファーの2人が地元民目線とクリエイター視点で菰野町内のフィールド(山、谷、森、川、田畑、原っぱなど)の面白い場所を見つけて、自ら遊び、その楽しさを伝えていくプロジェクト。
・member
ズミ
菰野町のデザイン事務所エコムクリエーションの代表を務めながら御在所岳発のハイクブランド「1212」を展開しているグラフィックデザイナー。愛車はGARYFISHERのSuperfly。
ウラ
結婚を機に愛知県から鈴鹿山脈の麓に移住してきたフォトグラファー。鈴麓寫眞という写真館を経営しながらコマーシャルフォトなどの撮影も精力的に行う。愛竿はGO-PHISHのKamome trail。