歴史・文化・伝説

九品寺の石造六地蔵

九品寺の石造六地蔵

- 大字田光 -  この石地蔵は九品寺の本堂の南側、壇の上に祀られている。花崗岩でつくられ、六角の面に仏像が刻まれている。石の表面は風化して尊 容もさだかでない。笠と台石に当る部分は後補のものである。形状は石燈籠の火袋に似ているが、石幢の部類に属するものである。

この種の石造六地蔵は三重県下、特に伊賀地方に多く遺されている。六地蔵 はもと田光城の上にあった清安寺に祀られていたが、信長の兵火に躍り寺が滅亡したので、里人によって多比鹿神社前の郷倉横に安置され ていたものを九品寺境内へ移されたものである。今も村人の篤い信仰を受け、田光区から毎年米2斗の寄進が続いている。 九品寺は浄土宗に属し、もとは集落の西はずれにあった密教系の寺であった。今その古跡に記念碑が建てられている。現在の所に移った のは室町末期頃と言われている。寺の由緒によると、日永六呂見の観音寺に浄土門の鎮西上人巡錫のとき、この寺の住僧がその門に入り、 念仏具通の浄土宗の教化を受け、その縁により山号も十念山と号し、九品寺を再興した。東海名所図会にこの寺のことが所載されている。